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2010年02月 アーカイブ

2010年02月20日

オーストラリアン・ラブラドゥードルって
本当のところ盲導犬としてどうなの?

しばらく前に、盲導犬のユーザーから、
オーストラリアン・ラブラドゥードルの盲導犬
としての適正について問い合わせがあった。

そもそもが犬アレルギーを持つ視覚障害者のために
メルボルンの盲導犬協会の関係者が中心になって
作出したという歴史がある犬種だから、盲導犬として申し分ないはずだ。


RutlandManorAmberTherapyDogHospital.jpg
▲'photo courtesy Rutland Manor Australian Labradoodles in Australia'


最初に生まれた白い子犬は、盲導犬として
ハワイで10年以上も活躍したと言われている。

ラブラドールの従順で粘り強い性格、プードルの
聡明で快活な気質を受け継いだのだから、
まさにうってつけ。

当初の狙い通り、アレルギーを起こしにくい犬種
として、いまや犬アレルギーをかかえる障害者の
介助や、心の病気の子供たちをケアするために、
世界中で活躍している。



▲パセリだって、もの思いに耽る。


盲導犬としてどうかと問われると、能力や気質に
ついて口をはさむ立場にはないので何とも
言えないが…

ただ、抜け毛が少ないから扱いやすいと思われ
がちだが、抜け毛が少ないこととメンテナンス
しやすいこととは別の問題だ。
早い話が、非常に手間はかかる。

口の中に入ることで歯周病等の原因になりかねない
口周辺の長い毛、食べ物焼け、目を覆う被毛、ちょっと
手を抜くとすぐにはびこる毛玉、耳の問題、時間の
かかるシャンプーとブロー、雨の日の足の汚れ、
毛がじゃまして非常に切りにくい爪etc.



▲部分的に従順で粘り強い性格の、わがPJ


ラブラドールなら、換毛期以外であれば、ほとんど
ブラッシングだけでこと足りる。
でもオーストラリアン・ラブラドゥードルは
そうはいかない。

これらのことは、欠点というよりは、むしろその手入れ
こそがこの犬種と過ごすための楽しみのひとつなのだが、
目に障害のある人はそうはいかないのではないか。

ぜひとも日本で盲導犬として活躍させてあげたいが、
日常のグルーミングを考えると、セラピードッグや、
ユーザーを選ぶけれど、介助犬向きかなと思う。

ラブが与えられた仕事に喜びを見いだすタイプなら、
オーストラリアン・ラブラドゥードルは、人を喜ばす
ことに生きがいを見つけるタイプ。

パセリやラーラがオーストラリアから来る大分前に、
とある団体にドゥードルドッグス・ジャパンから
この犬種を毎年、何頭か寄贈したい旨を申し上げたが、
実績がないということで丁重に断られた。

そのようなことを、きちんと説明して、あえて、
盲導犬には不向きだと、回答させていただいた。

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