オーストラリアン・ラブラドゥードルって
本当のところ盲導犬としてどうなの?
しばらく前に、盲導犬のユーザーから、
オーストラリアン・ラブラドゥードルの盲導犬
としての適正について問い合わせがあった。
そもそもが犬アレルギーを持つ視覚障害者のために
メルボルンの盲導犬協会の関係者が中心になって
作出したという歴史がある犬種だから、盲導犬として申し分ないはずだ。
▲'photo courtesy Rutland Manor Australian Labradoodles in Australia'
最初に生まれた白い子犬は、盲導犬として
ハワイで10年以上も活躍したと言われている。
ラブラドールの従順で粘り強い性格、プードルの
聡明で快活な気質を受け継いだのだから、
まさにうってつけ。
当初の狙い通り、アレルギーを起こしにくい犬種
として、いまや犬アレルギーをかかえる障害者の
介助や、心の病気の子供たちをケアするために、
世界中で活躍している。
盲導犬としてどうかと問われると、能力や気質に
ついて口をはさむ立場にはないので何とも
言えないが…
ただ、抜け毛が少ないから扱いやすいと思われ
がちだが、抜け毛が少ないこととメンテナンス
しやすいこととは別の問題だ。
早い話が、非常に手間はかかる。
口の中に入ることで歯周病等の原因になりかねない
口周辺の長い毛、食べ物焼け、目を覆う被毛、ちょっと
手を抜くとすぐにはびこる毛玉、耳の問題、時間の
かかるシャンプーとブロー、雨の日の足の汚れ、
毛がじゃまして非常に切りにくい爪etc.
ラブラドールなら、換毛期以外であれば、ほとんど
ブラッシングだけでこと足りる。
でもオーストラリアン・ラブラドゥードルは
そうはいかない。
これらのことは、欠点というよりは、むしろその手入れ
こそがこの犬種と過ごすための楽しみのひとつなのだが、
目に障害のある人はそうはいかないのではないか。
ぜひとも日本で盲導犬として活躍させてあげたいが、
日常のグルーミングを考えると、セラピードッグや、
ユーザーを選ぶけれど、介助犬向きかなと思う。
ラブが与えられた仕事に喜びを見いだすタイプなら、
オーストラリアン・ラブラドゥードルは、人を喜ばす
ことに生きがいを見つけるタイプ。
パセリやラーラがオーストラリアから来る大分前に、
とある団体にドゥードルドッグス・ジャパンから
この犬種を毎年、何頭か寄贈したい旨を申し上げたが、
実績がないということで丁重に断られた。
そのようなことを、きちんと説明して、あえて、
盲導犬には不向きだと、回答させていただいた。