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2010年05月 アーカイブ

2010年05月27日

オーストラリアン・ラブラドゥードルの
お問い合わせにお答えします

最近、オーストラリアン・ラブラドゥードルの入手先/方法等についてのお問い合わせが多くなりましたので、まとめてみました。

ポチみやの社員犬、オーストラリアン・ラブラドゥードルのパセリは、下記のラトランド・マナーから、下の写真のラーラと一緒に日本にやってきました。


http://www.rutlandmanor.com/



▲3 months old 検疫 左:ラーラ 右:パセリ

▲3 months old 

▲4 months old 右:PJ

▲4 months old

▲6.5 months old


ラトランド・マナー犬舎は、ティガン・パークとともに、オーストラリアン・ラブラドゥードルの共同ファウンダーです。
犬舎主のBeverley Mannersは、ブリーディング&リサーチセンターを設立し、約20年前に人を助けるために作出された、この犬種の普及と研究に情熱を注いでいます。

サイトをご覧になれば、スタッフ共々、オーストラリアン・ラブラドゥードルのために寝食を忘れて没頭している様子が伝わるかと思います。

信頼に足るブリーダーかどうかは、パピーがすべてトーイングトラクターのトレーニングを行うという事実からも判断できます。

到着までの顛末は、下記ブログのラブラドゥードルのカテゴリーの前半部分に記載しています。


http://111ch.com/cat4/


パピーを申し込むための最初の手続きは、下記あてにメールを送ることから始まります。


privatebox@rutlandmanor.com


するとすぐ申し込み用紙と 'Getting to Know You form' が送られてきますので、記載して返信し、予約します。

その流れは、こちらのページに書いてあります。

料金も書類に記載されています。
個人的にはたいへん良心的なプライスだと思います。人気の雌や珍しい毛色だと10%くらいアップし、かなり待たされます。

子犬の値段と同じくらいの航空運賃がかかります。
その他、通関等に多少費用がかかります。



▲10 months old

▲11 months old

▲14 months old

▲19 months old

▲2 years old


わが家のパセリは、サイズはミディアムで、被毛はウェィビー・フリースコートです。
カラーは、多分パーチメント/羊皮紙色だと思います。チョコとかカフェオレ色を希望したのですが…

サイズ、コート、カラーに関しては、当然ですが、リクエスト可能です。

カラーは、コートチェンジといって、大人になるとパピーの頃とまったく変わります。パセリも最初はブラウンでした。
(写真を時系列にまとめてみました)

ラトランド・マナーでは、離乳するとすぐ生肉と生骨を与えます。そしてこのスタイルをずっと続けることを推奨しています。これがきちんとしたブリーダーの証しですが、犬の健康とQOLの向上のために、生肉、生骨と天然素材は必須です。

ラブラドゥードルというとラブラドール・レトリーバーとプードルが両親のミックスのようにお考えの方も多いのですが、実はこれ以外の犬種の血も入っています。さらにインブリードはしていませんので、遺伝的に強い個体がつくられ、疾患のリスクも少ないように思います。

訓練性能は抜群で、コマンドに的確に従います。30年近く、何頭もラブラドール・レトリーバーを飼ってきましたが、ラブたちがまったく頼りなく思えるほどです。(PJゴメン)

非常に明るい性格ですが、フラットコーテッド・レトリーバーほどハイパーではなく、家庭で飼うなら最高の犬種でしょう。

ただし、きちんとトレーニングしなければなりません。
訓練は誰がするのか、フォームに記入欄があったりします。

ビバリーは、すぐにきちんと訓練しないと、単なるいたずら小僧になるよと言っています。うちでは、自分でやってますが…

日本には、避妊、去勢済みのタトゥーを耳に、そしてマイクロチップを埋め込んでやってきます。

グルーミングは、ちょっと前のブログの記事に書いたとおりです。
毎週定期的に「潮干狩りに行けそうな形状のコーム」©mojyazou やスリッカーで手入れをすると、毛玉もさほど気にならなくなります。

2010年05月24日

生フードについて考える 4
穀類っていいの?悪いの?

穀類を愛犬に与えている方、与えたい方は、ぜひお読みください。


犬や猫に穀類が必要かどうかというのは、欧米の動物の栄養学の専門家の間でも、長い間、論議の的になっている。

穀類不要派と必要派のそれぞれの言い分を比べてみた。


●アミラーゼについて

穀類不要派:
犬の唾液には、穀類を消化する酵素であるアミラーゼが含まれていないので、穀類は不要。

穀類必要派:
犬には、穀類をすりつぶす歯がない。したがって犬の消化系のスタート地点は口ではなく胃で、唾液にアミラーゼは不要。



Photo: 玄米のおかゆをミキサーで粉砕。
おかゆのままだと胚芽等が消化されない。


●消化の問題

穀類不要派:
犬は草食動物の3分の1という短い消化管しか持ち合わせていないので、穀類がうまく消化できない。そのため、未消化や不完全消化の穀類は大量の軟便になる。一方、穀類なしの便は、完全に消化されるので量も少なくちょうどいい硬さだ。

穀類必要派:
狼を始めとする野生の肉食獣は、捕獲した草食動物の内臓を最初に食べる。その中には穀類や野菜の栄養価が十分吸収されるようほど良く消化された内容物を含む腸がある。


●栄養学的なこと

穀類不要派:
長期間、穀類抜きの食餌だけを続けた犬の血糖値が正常だった。もし炭水化物が必要であれば、内臓や野菜からも摂取できる。消化できない穀類は免疫系等を弱体化させている。

穀類必要派:
炭水化物は消化管で吸収され、グリコーゲンとして肝臓に蓄積されるが、これが正しく使われるとタンパク質がエネルギーに変わることを防ぎ、グリコーゲンとして蓄積されたものがタンパク質の代謝を調整する。中枢神経や脳にも必須で、炭水化物がないとタンパク質と脂肪がエネルギーに変換されるので、免疫力が弱まる。



Photo: オートミールのおかゆ。オートミールは酸性。
中性の玄米と組み合わせることが多い。
他に、大麦、ソバ、キビなどがいい。


●アレルギー問題

穀類不要派:
穀類に含まれるグルテンが、免疫器官を刺激してアレルギーや皮膚疾患を引き起こす。

穀類必要派:
穀類を与える場合、火を通しておかゆ状にするが、このような状態の穀類は、炭水化物、食物繊維、鉄、ビタミン、ミネラルの他に多様なアミノ酸を含むとてもよい栄養源だ。ノングルテンの穀類を使用すれば何ら問題はなく、大切な栄養素を逃すこともない。


●フィチン酸

穀類不要派:
発芽玄米などに含まれるフィチン酸が、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルと結合し、吸収阻害を引き起こし、その栄養価を十分に利用できない。

穀類必要派:
大量に摂らなければ、フィチン酸にはデトックス(毒素排除)作用や免疫活性作用がある。

というわけで、穀類/炭水化物摂取については賛否両論がある。


以下は私見。

コスト
1日の給餌量が体重の5〜3.5%前後の大きめの小型犬や中型以上の犬種に、穀類抜きで肉主体の食餌を与え続けるのは、経済的に負担が大きい。多頭飼いならなおさら。

だから、少量ならまったく害がない穀類を、愛犬の食餌にうまく取り入れればコスト面でのメリットが非常に大きいといえる。


わが家では
穀類不要派と必要派の言い分はどっちもどっちという感じ。

なので、不要ではないけれど、大量に摂る必要もないという風に解釈し、2種類のおかゆ状の穀類をミックスして、一定の範囲内で適当に与えている。


注)癌細胞は増殖のために炭水化物をエネルギーにする。したがって、犬の癌の食事療法では炭水化物を削減する必要がある。高脂肪、高タンパク、低炭水化物の食餌で、腫瘍をエネルギー不足にさせるのが狙いだ。


「生フードについて考える」は、
下記の順番で掲載予中です。
1: そもそも“生フード”って何?
2: “生”のメリット・デメリット
3: 生骨って何のこと?
4: 穀類っていいの?悪いの?

次回は↓
5: どのくらいの量を与えるの?

2010年05月17日

生フードについて考える 3
生骨って何のこと?

いつになく真剣に書いてますよん。

生肉中心の食餌で大切なことは、リンとカルシウムのバランスを1:1〜2の比率に保つこと。生肉に大量に含まれるリンが、体内のカルシウムを消耗するので、カルシウムを十分に摂取する必要があるためだ。通常は、全体の10%程度の生骨を与えることになる。

与え方としては、粉砕した骨を生肉に混ぜる方法が簡単。ただし、粉砕骨が入手できない場合は、鶏の手羽先、柔らかい鶏や鴨の首、もしくは馬のアバラ軟骨がおすすめ。これなら仔犬や小型犬、骨が不慣れな犬にも向いている。



Photo: ご存知、手羽先。
どうしても菌が心配なら、リンゴ酢に浸してから与える手もある。
臭いがキツくなるけれど、抗菌作用に加えて、食品からの摂取がむずかしいトレースミネラルの補給にもなるので、一石二鳥!


鶏の骨は縦に割れ、のどや胃に刺さって危険だという意見も根強いが、加熱せず、生で与える限り安全。特に手羽先は、パッドに包まれているので危険はない。



Photo: 鴨の首、通称「鴨ネック」をミンチしてみた。
軟骨なのでそのままでも与えやすい。「鴨ネック」は、骨より肉が多いカモ?


便が白くなったり、白くて硬い便が出たりするのは、骨の与えすぎなので注意。

食餌以外に、生の骨を1週間に2〜3回与えることも大切。前述のとおり、粉砕骨や軟骨で必要な量のカルシウムが摂取できるが、それに加え、犬の本能を刺激する特別なごちそうである生骨を与えることで生じる、下記のメリットも見逃せない。



Photo: 馬のアバラの軟骨。これも柔らかいので初心者(犬)におすすめ。
これは、どこの馬の骨かというと、会津の馬の骨。


1: 生の骨をかじることにより、歯垢や歯石のないきれいな歯が維持できるとともに、歯や歯ぐきの疾患を予防し、あごを強化することができる。

2: かじる本能が満たされ、幸せな気持ちになるため、ストレスから解放され、犬のQOL/生活の質も向上する。


あまりかじらず、飲み込む癖のある中型犬、大型犬には、膝関節部分の骨がおすすめ。この骨なら、とても硬く簡単に砕けないため、飲み込むことはない。牛の骨を与える場合は、汚染の可能性が少ない仔牛の骨を。


「生フードについて考える」は、
下記の順番で掲載中です。
1: そもそも“生フード”って何?
2: “生”のメリット・デメリット
3: 生骨って何のこと?
4: 穀類っていいの?悪いの?
5: どのくらいの量を与えるの?

2010年05月08日

生フードについて考える 2
“生”のメリット・デメリット

生フードを与えることのメリット

1: 市販の調理/加工されたフードは、加熱されることで成分が損なわれる。非加熱の生フードなら、原材料に豊富に含まれる栄養素、微量成分の損失がなく、天然素材の持つ“生命エネルギー”を丸ごと摂取できるので、自然治癒力が高まり、健康なからだを作る。

2: 体内にある酵素と、生の食物に含まれる酵素とで、消化システムが正常に機能し、効率的に食物を分解するため、臓器の負担が減り、結果的に病気を予防することになる。

3: 肉副産物、化学調味料、化学保存料、合成着色料のない、ヘルシーで安全な食餌を与えることができるので、持続的な健康が得られる。



Photo: パセリもPJも、“生”に目がない。


生フードを与えることのデメリット

1: 生肉や骨、内臓の臭いと触感、保存スペースの確保など、一般的な市販のフードほど、扱いが魅力的ではない。

2: 骨のカット、野菜の粉砕、解凍、使用した調理器具の洗浄などに、ほんの少し時間と労力を要する。

上記の2点が短所だ。この点さえクリアできれば、犬のQOLが向上し、健康ではつらつとした愛犬と暮らすことができる。



Photo: パセリは、ブリーダーが“生教”なので、離乳直後から生ひとすじ。


生フードを与える場合の条件として、健康診断のために、年1回以上、血液検査を受けた方がいいかも知れない。自家製レシピで与える場合の栄養の偏りを調べるための、言ってみれば保険のようなものだ。

コストは、市販のプレミアムフードと同レベルか、それ以上の場合もあるかもしれない。最初、気合いが入りいろいろ購入しすぎたりするが、慣れてくると、家族の食事の一部を流用したり、付加物などの工夫もできるようになるので、ある程度抑えることもできる。また健康になることで確実に医療費も減るので、総じて、他のフードにくらべ割高ということはない。



Photo: PJの得意技、鴨ネックの早喰い。


食材の保存スペースとして専用冷凍庫があると便利だ。犬のサイズによっては冷蔵庫の冷凍室でもOKだが、材料をまとめ買いしたり、大量に下処理をして効率アップを図る場合は必須だ。


「生フードについて考える」は、
下記の順番で掲載します。
1: そもそも“生フード”って何?
2: “生”のメリット・デメリット
3: 生骨って何のこと?
4: 穀類っていいの?悪いの?
5: どのくらいの量を与えるの?

2010年05月05日

生フードについて考える 1
そもそも“生フード”って何?

犬のからだや消化の仕組み、食性にマッチした、生肉中心の食餌が“生フード”だ。生肉、生骨、生の内臓、生の野菜、付加物を原材料とし、その割合は、生肉・内臓・骨75〜90%、野菜10〜25%とか、生肉・骨60〜75%、野菜・内臓25〜40%だったりする。生食という言い方もある。

これに穀類を加えるかどうかは、現在も論議の的だ。野菜も、便宜的に“生の野菜”と記したが、ジャガイモ、サツマイモなど、ゆでないと与えられない野菜もある。


Photo: 生フードの一例。
2.5cm角のキューブの中に生肉、内臓、骨、血が入っている。


そもそも生フードとは、その進化の過程のほとんどを生ものだけ食べてきた、犬の直近の祖先である狼の食餌を手本にしようという考え方に基づいている。だから、カタチとしては、狼や野生時代の犬が獲物の草食動物から得ていた肉、骨、内臓、血、腸内残存物を、それぞれの想像力や思惑、利便性を考慮して再現したものになる。

単にボウルに肉や骨などの塊と付加物を放り込んで与えるプリミティブなやり方から、市販のものならペースト、パテ、プレート、キブル(粒)タイプからフリーズドライまで、さまざまなスタイルがある。

いずれにしても、高動物タンパク質、低炭水化物の、生肉中心の食餌、それが“生フード”だ。

野菜や穀類については、別項で触れるが、獲物の腸内には植物や果実、穀類が未消化で残っていて、これを食べることで食物繊維や、炭水化物を消化しやすいカタチで摂取していたという説に基づき、非常に細かく粉砕して加えるか、発酵野菜にして加えたりする。


Photo: 野菜は同じようなキューブだが、食材の割合を変えたり、
朝晩で与える内容が変えられるよう、別売になっている。


犬は肉食ではなく雑食という意見も根強いが、犬が本来何を食べてきたのか、あるいは何を食べるべきなのか、いわゆる犬の食性は、次のことからも説明できる。

1: 人間や草食動物と違い、穀類や植物をすりつぶす臼歯の代わりに、肉を噛み切り、骨を噛み砕く尖った臼歯(裂肉歯)や顎が発達している。

2: 動物の腐肉などから有害菌がからだに入っても、pH1の強酸性の胃酸で対処できる。

3: 犬の唾液にはアミラーゼ(デンプン分解酵素)が含まれていないため、穀類、イモ類の消化は苦手。しかし、生肉、生骨なら消化酵素や食物に含まれる食物酵素で効率よく分解できる。

4: 穀類や食物繊維の多い野菜を長い腸でゆっくり消化する草食動物と違い、長く留まると腐敗しやすい肉を短い腸管で短時間に消化。(生肉なら4〜5時間、乾燥フード16時間。)有害菌は問題を起こす前に排出する。

というわけで、肉食の犬が本当に食べたいと思っている、生の、つまり天然の肉や骨などから栄養を摂取する食餌、それが“生フード”ということになる。


「生フードについて考える」は、
下記の順番で掲載予定です。
1: そもそも“生フード”って何?
2: “生”のメリット・デメリット
3: 生骨って何のこと?
4: 穀類っていいの?悪いの?
5: どのくらいの量を与えるの?

2010年05月03日

生肉や生骨を与えたいけれど
サルモネラ菌や寄生虫が心配という方へ

生の肉、骨、内臓を主体にした食餌を推奨すると、サルモネラ菌、大腸菌、寄生虫を心配する人がとても多い。

しかし、犬の食餌用とはいえ、基本的に人の食材を使用するので、ふつう入手できる肉や骨、内臓は、正規に屠畜され、食肉加工の許可のある所で処理されたものなので、ほとんど問題はない。


Photo: 馬の生肉、内臓、骨セット。ちなみに、右端のベージュのしわくちゃは肺で、これだけは湯がいてある。生なら真っ赤。肺の左の上段は心臓、中段が腸、下段は肝臓。


もう一つ重要なこと。それは、免疫機能が低下したり、腸内環境が衰弱していない健康な犬であれば、消化の仕組みが生肉などの細菌に最初から対処できるようになっているという事実。

すなわち、さまざまな病原菌がからだに入っても、犬はその強酸性の胃液で対処するとともに、短い腸管のおかげで病原体が問題を引き起こす前に排出されるようになっている。

最新のDNA鑑定により、犬が狼から分岐したことが分かっている。この狼の時代のずっと以前から、犬の祖先は百数十万年もかけて、生肉、生骨等にあわせ、その消化系を進化させてきたのだ。

生肉、生骨、内臓メインの食餌は、元はと言えば、犬の祖先である狼や野生の犬の食餌を手本にしたもので、本来肉食である犬たちにとって、まったく自然な食品であることに疑う余地はない。

欧米では、生肉、生骨、生の内臓のフードを30年以上にわたって実践する研究者、ブリーダー、獣医師、そして一般の多数の飼い主から、まったく問題が発生せず、むしろ健康状態が改善するという証言が多数報告されている。

生肉、生骨、生の内臓は、持続的な健康が得られる犬の食餌として、日本以外の犬好きの多い国では、完全に市民権を得ているスタイルなのだ。

PS. 実際には、上記の他に、野菜やフルーツ、オイル等も必要で、全体の割合が微妙。その辺は、いずれまた。

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