犬に与えてはいけない食品

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この「与えてはいけない食品リスト」は、ポチのおみやげのサイトに「与えちゃいけない・これがNG食品だ」として掲載したものを、改題して111chにアップしたものです。
人も犬も、病気に負けない体づくりが基本ですが、わたしたち飼い主の注意で予防できる病気もあります。 本当に危ないものから、意見が分かれているものまでいろいろです。
愛犬の健康のためにお役に立てば幸いです。

2007年10月09日

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タマネギ・長ネギ


タマネギ、長ネギ、ニラ、ニンニク、エシャロット、ラッキョウなど、ユリ科の植物に含まれるアリルプロピルジスルファイドが溶血性貧血(ハインツ小体性貧血)を引き起こします。いわゆるネギ中毒です。丸かじりはいうまでもなくNGですが、具(タマネギやネギ)を取り除いたスープや肉じゃが、みじん切りの入ったハンバーグでも中毒の可能性があります。また、調理の時に床に落ちたタマネギのかけらの拾い食いにはくれぐれもご注意ください。命にかかわります。

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チョコレート・ココア


チョコレート、ココアをはじめ、コーヒー、コーラに含まれるカフェインやテオブロミンという成分が中毒を引き起こします。小型犬の場合、板チョコ1枚で死に至ることもある危険食品です。テーブルの上などに置き忘れたりしないよう十分注意してください。

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サケ・ニジマス


サケ、ニジマスは、焼かないで食べさせた場合、ネオリケッチア・ヘルミンテカという病原体が原因でサケ中毒という病気を引き起こすといわれています。生魚は、寄生虫が体内に寄生する恐れがありますので、与えない方が無難です。

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ジャガイモの芽


ジャガイモの芽の部分や緑の部分に含まれる有毒物質はソラニンといい、食中毒の原因になります。熱を加えてもほとんど分解しないとされています。 ジャガイモの芽は確実に取り去ってから与えてください。

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お茶


普通に飲用に供する場合は大丈夫のようですが、お茶の葉っぱを大量に食べたりすると、チョコレートと同じようにカフェインやテオブロミンという成分が中毒を引き起こします。

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梅やアンズの種


梅やアンズの他に、桃、びわなどの種にはシアンという中毒物質が含まれています。人でも種の中味を25〜50g食べると生命の危険があるといわれるくらいですから、犬たちには、これらの種は絶対にあげないよう注意しましょう。

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トマトのヘタ


トマトのヘタや茎や葉にはナルコチンという成分が含まれています。 触ったりしただけで皮膚がかぶれたりします。実は問題がありません。

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カニ等甲殻類


甲殻類は殻が消化器官を傷つける恐れがあります。殻を取り除いて身の部分だけ与えることもできますが、犬たちはよく噛まない丸のみの傾向があるので、いつまでも消化されず嘔吐、下痢を引き起こすことになります。

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タコ・イカ・エビ等、生の魚介類・貝類


イカの内臓には、ビタミン破壊酵素のサイアミナーゼ(チアミナーゼ)という酵素が多く含まれているのでサイアミン(ビタミンB1)欠乏症になることがあります。サイアミナーゼが多く含まれている魚介類としてはイカの他に、ニシン、コイ、ウナギ、ボラ、エビ、ハマグリ、アサリなどが知られています。サイアミナーゼは加熱することで簡単に破壊されます。 また、犬は過剰の銅イオンが体内に蓄積されやすいので、タコやイカは食べさせない方がいいようです。

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牛乳


牛乳は非常に栄養価の高い優れた飲み物ですが、犬たちにはあまりおすすめできない食品に分類されています。それは、牛乳に含まれる乳糖を分解するラクターゼという酵素が犬の体内にはないため、牛乳を飲むと消化不良を起こし、おなかを壊してしまう子が多いためです。ただ全く問題がなく、牛乳大好きという子も大勢います。一度加熱するといいともいわれています。摂取量や個体差にもよりますが、カルシウムを摂るためなら他の方法もあります。

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マカダミアナッツ


アメリカのASPCA(動物中毒管理センター)は、1987年からの14年間にマカダミアナッツが原因と見られる中毒が48件発生したと発表しました。原因物質は特定されていません。レーズン同様控えた方がいいかと思います。

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香辛料


とうがらし、コショウ、わさび、マスタード、カレーなどの香辛料は、胃腸を過剰に刺激して、内蔵に負担をかけるためにまったく不要です。刺激臭があるので自分から率先して直接は食べないとは思いますが、調理品に混ざっているものなどの盗み食いにはご注意ください。

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調味料


塩、砂糖の調味料は、犬たちには不要です。(塩は多少必要ですが、素材から摂れます)足の裏しか汗腺のない犬たちは、ほとんど汗をかかないため体外への流出が少なく、体内に残った塩分が腎臓に負担をかけますのでご注意を。砂糖は、犬にとっても摂り過ぎると虫歯と肥満と糖尿病の原因になります。十分ご注意ください。

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ヒト用のケーキやお菓子


犬の舌の味覚分布を見ると甘味の味蕾が酸味等に比べ非常に多く、甘味を強く感じることができるといわれています。だからといって甘いものが好きとは一概には言い切れませんが、甘いものに目がない子が多いのも事実。人間のケーキやお菓子などは絶対与えず、味を覚えさせないことです。当然食べ過ぎは肥満の原因となり、糖尿病や心臓病を誘発します。和菓子、洋菓子に限らず、調味料も必ず使われていますので、その点からいってもNGです。また高カロリーのものが多いので、毎日のごはんをきちんと食べなくなる可能性もあります。

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魚の骨・カニの甲羅・爪・魚の頭


わざわざ食べさせるほどのものではないかもしれません。固い骨が上あごやのどに引っかかると獣医さんに診せなければいけない事態にも。引っかかったのを知らずにいると、食事障害になることもあるようです。鯛の骨やカニの甲羅や爪は非常に固いため、食道や内蔵に刺さったり、傷つけたりする恐れがあり、窒息や閉塞が原因で死に至る場合があります。魚の頭も鋭く尖っているものや骨が極端に硬いものは危険です。私たちのパートナーは腐敗臭が大好きで、特にタンパク質の腐ったにおいを好みます。フタの不完全なゴミ箱をあけることくらい朝めし前です。そんなゴミ箱あさり中に魚の骨やカニの食べ残しなど見つからないよう、ゴミ箱のフタを、まずはロック式に。どうしても魚の骨をという方は、フードプロセッサーなどで細かくミンチにする手もありますが…。

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ハム・ソーセージ・ベーコン・練りもの


ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工食品や、かまぼこなどの練りものは、保存性を高めるため、多くの塩分が使われています。調味料の塩の項でも述べましたように、ナトリウムの摂り過ぎは、心臓や腎臓に必要以上の負担をかけるなど、さまざまな弊害をもたらします。また、これらの食品には多くの香辛料が使われている可能性もあります。

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みそ汁・ラーメン


塩分の多い食べものですので、あげない方が無難です。昔はヒトの残りごはんにみそ汁で大丈夫だったという声もありますが、当時は情報も乏しく、塩分過多という認識がありませんでした。NRC(アメリカ科学アカデミー)やAAFCO(全米飼料協会)の栄養基準なんて聞いたこともありませんでした。そもそも栄養素の必要量がヒトと犬たちでは基本的に違います。犬たちは汗をかきません。したがって塩分は体外に放出されず、体内に蓄積されます。塩分過多の弊害については、調味料等の項目をご参照ください。

昔の犬はみそ汁ぶっかけごはんだけで18歳まで生きたんですから、あまり深く考えなくてよろしいという獣医さんもいます。




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にぎり寿司


生魚、魚介類プラス香辛料(わさび)という組み合わせになりますので、できれば避けたい食べ物です。お酢の酸っぱいにおいは嫌いな子が多いので、わざわざ与えるほどの食品ではありません。

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アブラナ科の植物


ブロッコリー、カリフラワー、キャベツなど、アブラナ科の植物は、続けて大量に摂取すると、場合によっては下痢や嘔吐を引き起こすといわれています。これは相当大量に与えた場合のようです。少量であれば問題ないと思われます。ただし芯などは、刻んだり、薄くスライスしたりしたほうがいいかも知れません。

管理人の愛犬のフラットとラブには、時々ブロッコリーの芯を生やゆでたりして与えていましたが、便に異常は見られませんでした。ただし「ヨーロッパでは、アブラナ科の野菜に含まれるシュウ酸が犬によくないので与えない。」という記述に接してからは食べさせるのを止めました。どちらにしても、生の場合は寄生虫を防ぐために十分に洗って与える必要があります。

PS. アメリカのナチュラルダイエットの権威で著名なブリーダーのウェンディ・ボラードと、ニューヨークで最も敬意の払われる動物病院の獣医師ケリー L. ブラウンの両氏は、共著の「Holistic Guide for a Healthy」のなかで、ドッグビスケットの代わりに、ブロッコリーの茎を推奨しています。(念のため)




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ピーナッツ・ゴマ


良質の脂肪を含みますが、消化が悪くそのまま与えると消化不良を起こします。どうしてもあげたい場合は、刻んだり、すりつぶしてペースト状にしたり、やわらかく煮てからカットするなど、ひと手間かける必要があります。

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ほうれん草


ほうれん草にはシュウ酸という成分が含まれていて、カルシウムや鉄分の吸収を妨げるので、ゆでたあとに流水にさらすか水を何度か取り替えてから5分以上放置しアクをていねいに取ってから使います。

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キノコ類


キノコは、カロリーはほとんどなく繊維質やビタミンDやアミノ酸が豊富です。ただ消化が悪いので、ゆでたものを細かくカットして与えるなど、工夫が必要です。

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精白した白米は、単なる炭水化物なので与え過ぎは、肥満の原因になります。もちろん、炊いたり、煮たりして火を通してアルファ化したものでなければ与えられません。

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鶏の骨


オーストラリアの獣医、Dr.ビリングハーストはその著書〈Give Your Dog A Bone〉の中で、“生の肉付き骨”を食餌全体の60%与えるべきで、そのうちの80%は手羽が良いといい切っています。熱を加えない生の鶏の骨は縦に割れたり裂けたりしないので危険ではないということのようです。逆に加熱した鶏の骨は砕けやすく、齧った時に縦に裂けて鋭利な形になり、消化器に突き刺さる可能性があるので、危険な食品に分類されています。しかし、「食べ物は加熱したら柔らかくなって消化が良くなるのは当たり前」という理由で、鶏の骨は何ら問題がないという発言も時々見かけます。

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レーズン・ぶどう


現段階で何が原因なのか不明ですが、アメリカのASPCA(動物中毒管理センター)の最近10年間の調査によれば、ぶどう中毒の発症事例が多数あり、そのうちの何頭かが死亡したと、平成18年の日本獣医師会のセミナーで報告がありました。 ということですので、ぶどうやレーズンは避けたほうが無難かもしれません。ただし、同じアメリカの獣医学者のR.H.ピトケアンやハーバリストのG.L.ティルフォードの両氏は、自著の中でレーズンを推奨しています。

また、ブロッコリーの項目で登場した、ウェンディ・ボラードとケリーL. ブラウンの両氏は、共著の「Holistic Guide for a Healthy」のなかで、バナナ、プラム、プルーン、アプリコット、リンゴとともにレーズンをあげ、果物に関して「犬の欲しがるものは何でもあげましょう」といっています。(どちらを信じますか?)。

個人的なことですが、管理人の愛犬シャギー/フラットコーテッドは、7歳当時にアイスクリーム用に作っておいたラムレーズンを1瓶・150g程度、自分でふたを開け、家人の留守中に平らげましたが、多少酔っぱらっていた程度で、中毒にはなりませんでした。




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卵白


卵はすぐれたタンパク源で、ビタミンAも豊富です。しかし俗説ですが、黄身は大丈夫だが、白身は犬に良くないから与えられないといわれたりもします。確かに、加熱しなければ卵の白身に含まれるアビジンという物質がビタミンの一種であるビオチンと結合し、ビオチン結合症を起こし、皮膚炎や結膜炎を発症するといわれています。ただし全卵の形で与えたり、火を通しさえすれば問題はありません。いずれにしても、大量に生の白身を食べさせることは禁物です。

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生肉


動物は本来、火の通っていない食物を食べて健康を保ってきたのだから、それが生物学的に適正なやり方だというのが生肉派のコンセプトです。一方、それは理解できるけれど、生肉は雑菌や寄生虫の心配があるし、食中毒防止のためにもボイルするべきだというのが慎重派の意見。 これに対して生肉派はこう反論しています。すなわち昔から生肉の習慣がある犬たちだから、健康であれば多少の病原体が体内に入っても体が生肉を代謝できるようになっているので心配無用と。

素性のはっきりした新鮮な生肉がコンスタントに入手可能なら生肉でもOKで(トキソプラズマ症の危険性がある生の豚肉は厳禁)、少しでも不安なら加熱が無難というところでしょうか。
どちらにしても肉だけというのは×で、生か軽くボイルした野菜ときちんと火を通した穀類、内蔵、骨、さらに必須脂肪酸と適当な栄養補助剤も加え、栄養のバランスを取るというのが生肉派です。
(BARF/生物学的に適正な食餌の提唱者、Dr.ビリングハーストは穀類は犬たちに不要といっているようですが。)
もともと雑食なんだから、毒といわれる食材以外のものを、それなりに栄養のことも考え、愛犬をよく観察しながらながら適当にやればいいんじゃないのという人もいます。

そんなことより市販の良質のドライやウエットのドックフードをきちんと食べさせるのが一番という人が大多数という統計もあります。




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ガーリック


ニンニクもタマネギと同じユリ科の植物なので、過剰、長期の摂取でハインツ小体性貧血症という深刻な血液障害をもたらすことが分かっています。過剰とは愛犬の体重の約0.5%とのことのようです。体重15kgの犬がガーリック1個半程度で症状が出始める計算になります。

それほどの量を一度に摂取する可能性はほとんど考えられませんが、注意が必要です。通常の常識的な摂取量であれば、殺菌効果や抗酸化作用が期待でき、食欲増進にも効果的です。あげ過ぎは禁物です。




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ミネラルウォーター


ミネラルが豊富に含まれているので結石を引き起こす可能性があるという記述を見かけます。マグネシウムやカルシウムなどのミネラルの含有度の高いミネラルウォーターの過剰摂取が良くないとの主張です。(水中のマグネシウムとカルシウムの量のことを、一般的には硬度といいます。)しかし結石の原因はミネラルのとり過ぎだけではありません。いずれにしても、ミネラルの含有度の低い軟水のミネラルウォーターなら問題ないということです。地域によって水の硬度は異なりますが、軟水の日本の水から作られるミネラルウォーターならひとまず安心ということでしょうか。(硬度の分類は、軟水:0〜100mg/l未満、中硬水:100以上〜300mg/l未満、硬水:300mg/l以上となっています。国内では硬度0.5〜1800mg/lのミネラルウォーターが販売されています。)


掲載の食材以外に、たとえば観葉植物や道端に生えている雑草など、ごく普通の植物に有害なものがあります。
また、犬たちの身の回りにも危険なものがあふれています。

海の近くに住んでる方なら常識かもしれませんが、浜辺に打ち上げられて乾燥した小さなフグの死骸なんかも大変危険です。愛犬と海に行ったときなど、ご注意を!

普段から、床にオヤツを直接置いて与えたりせず、オヤツといえどもきちんと器に入れてあげたり、人の手からあげる習慣がたいせつです。


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身の周りの危険1


ア:
アイリス(アヤメ)、アサガオの種、アセビ、 アマリリス

カ:
カラー、キキョウ、キョウチクトウ、
キングサリ(キバナフジ)、
キンポウゲ(ウマノアシガタ)、クリスマスローズ

サ:
スイセン、スイートピー、スズラン、
ストレリチア(ゴクラクチョウカ)、
センダンの実、ソテツの実

タ:
ツツジ、チューリップ、トウゴマの種子

ハ:
ヒガンバナ、ビャクブ、
ヒヤシンス、フクジュソウ、
ポインセチア

ヤ:
ユリ

※有毒な植物はまだまだたくさんあります。茶色の表示は死亡する可能性のあるものです。専門のサイトでお調べください。




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身の回りの危険2


●薬品等
人間用の飲み薬、消毒薬、殺虫剤、防虫剤、除草剤、農薬、殺鼠剤、
消臭剤、防臭剤、蚊取り線香、ショウノウ、マニキュア・除光液等の化粧品

●洗剤
食器用洗剤、洗濯用洗剤、漂白剤、石けん

●鉛類
古いペンキ、ハンダ、釣りのオモリ

●動物
毒蛇、ヒキガエル、ハチ

●その他
タバコ、油、灯油、バッテリー、不凍液、針・ゴルフボールなどの異物